たまにNTT光の障害で、とりあえずの対応することが有るのですが、
国産の現地組立SCコネクタって結構なお値段します。1個1,800円以上で10個ロット。
取扱は国内老舗の愛三電機さん。
国内の業者さんの安いところで300円台から。扱いはe431さん。
今使っているのは住友電工さんのです。(融着接続機が住友電工なので)
時間も有るので、Aliexpressで買って色々やってみました。
その1 格安ファイバーカッター
アリエクでこれを購入。1.5K円程。耐久回数は1,000回。
カッター刃は回転しません。一部有るのみです。
メカニカルスプライスにしろ融着にしろ、接続の品質はカッターの切れに大きく左右されます。
これをどう評価するか?
実際に融着作業に使ってみました。
結果
回数 | 推定損失(dB) |
1 | 0.00 |
2 | 0.01 |
3 | 0.02 |
4 | 0.01 |
5 | 0.00 |
平均 | 0.01 |
住友電工のFC-6Mと変わらない結果となりました。
以前、Amazonでテストしたファイバーカッター
←要注意!!綺麗にカットできませんでした。
融着できる精度で無かったことを考えると、融着で良い成績を出すことから、使用に期待します。
今度テープ心線も試したいと思います。
その2 治具
ファイバーストリッパー兼ファイバフォルダーも注文しました。1個250円。
このタイプの商品は100個に2個付属してるのですが、単品の販売は有りませんでした。
販売業者とチャットで問い合わせ、特別に5個送ってもらいました。
ファイバーストリッパーも兼ねてますので、別途手配は不要です。
ファイバーの加工のカット長を指定されているのですが、
全長22.5mm BareFiber 7-8mmに加工せよとなっています。
このホルダーなのですが、カット後の長さをチェックできるようにスケールが付いています。(一番右の写真)
ここでチェックできますので、加工ミスは余程の事が無いと起こらないでしょう。
その3 SCコネクター
中国サイトで検索すると、ドロップケーブルの外皮把持型のコネクターは、ESC250Dの製品名で多く流通しているようです。
違いは外皮把持のケーブルホルダーが、細径用のチップが付いているものと、別添の物が有る事です。
これが細径用のチップが付いており、不必要な時は切り離して使います。
10個で1,500円程度で入手可能です。100個ロットだともっと格安に。こちらを手配しました。
UPCとAPCの2タイプが有りますが、必ずUPCを選択してください。
数種類確認してみましたが、加工の方法は同じでした。
その4 結果
光ファイバー損失試験
4m余りのインドアケーブルの両端を成端し、パッチケーブルとしました。
短いパッチケーブルとの比較を行いました。(3ジャンパー法での測定がめんどくさかった為)
カタログ上の損失規格は0.5dB以下となっていますので、両端で1.0dB以下なら合格となります。
反射減衰量ですが、他社の製品を確認すると概ね55dB以上となっていました。
1,550nmの波長で、0.17dBの結果となりました。パッチケーブルとほぼ変わりないと
言ってもいいと思います。0.17dBはレーザー光源のふらつきの範囲内です。
減衰量試験でも評価できるのですが、OTDRが有るのでそちらで測定してみました。
両端加工して、パルス幅3nsで測定してみました。
A-B方向
B-A方向
リターンロスにばらつきが有りますが規格値の55dB以上で65dB位は有りそうなので大丈夫です。
同様に両端をメカニカルスプライスで成端したケーブルとJJで接続し、測定してみました。
メカニカルスプライス4か所、中継JJで55dB以上確保できています。
その5 じゃどうするか
光ファイバーの断線が疑われるとき、
1.パワーメーターで測定してみる。
2.著しいレベル低下(-20dB)以上なら、断線を考える。
→OTDRを突っ込んで試験できるか確認する。
→少しでもレベルが有ればOTDRの保護機能で測定できない。
3.古い配線だと、ドロップケーブルが一旦宅内ケーブルに中継されている場合がある。
→上位側のレベルを図ってみる
→上位側にレベルが十分(-15dBとか)あれば、宅内ケーブルを疑う。
→上位を外した状態で、宅内ケーブルの双方向OTDR試験を行う。
→コネクターで異常が発生が疑われる。
↓
客先に同意の上、仮復旧としてコネクター交換をしてみる。
と、限られた場合に限るでしょう。
メカニカルスプライスなので簡単でいいのですが、
古い引き込みだとONUの中でメカニカルスプライスしている場合が多くあります。
融着した方が確実で早いですよね。
以上私の私見です。